(TUMI)トゥミ/キャディバッグのベルトが切れた持ち手を修理
こんにちは。大阪でスーツケースやゴルフのキャディバッグなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っておりますボンドリペアと申します。
今回は(TUMI)トゥミのキャディバッグ修理をご紹介いたします。
破損状態は、持ち手のベルト部分が切れてしまって持つことが出来なくなっています。
目次
1,持ち手の状態を確認
まずは持ち手の状態を確認してお修理方法を考えます。
持ち手の下側はベルトが完全に切れてしまっています。
持ち手は表の革だけですと強度が保てないので中に芯材が入っているのですが、その芯材も割れて一緒に折れています。
キャディバッグはクラブやボールなどを入れるとかなりの重量になりますので、それを支える持ち手やショルダーベルトは負荷が掛かりやすい部分なので破損も多くなります。
今回のようにベルトが切れてしまう以外にも、持ち手を固定しているカシメの穴が拡がってしまい持ち手が抜けてしまったり、
☞マイノリティーコレクション/キャディバッグの抜けたハンドルを修理
グリップ部分が手に触れる摩擦によって表皮が剥がれてくる
☞(adidas)アディダス/キャディバッグの表皮がめくれたハンドルグリップを修理
など破損の種類も様々です。
持ち手上部を固定しているベルト部分はカシメの穴が拡がって抜けそうな状態になっています。
これもすぐに外れてしまいそうなので一緒にお修理する必要がありそうです。
2,今回のお修理方法
今回は持ち手の上下ベルトを新しく作製して交換する方法でお修理をさせて頂きます。
まずはハンドル付近の解体組立が出来る状態までばらしていきます。
基本的にはお修理する箇所まで製造工程を遡っていきますので、セパレーターのベルトを外して、
セパレーターは中仕切りで底に繋がっているので底に落としておきます。
これで持ち手を固定しているカシメの裏側が見えますので上下各2本のカシメを抜きます。
カシメは軸部分を叩きこんで頭を開いて挟み込むようにして固定しているので開いている部分を削り取って外します。なのでカシメは再利用が出来ません。
裏側の開いている部分を削り落とすと表側からカシメを抜き取れます。
カシメを抜くとベルトが外せます。
上のベルトを抜いたところほとんどカシメに掛かっていません。恐らくギリギリ掛かっていた所が千切れて外れかけていたのかと思われます。
カシメを抜いて持ち手を取り外します。
今回は切れたベルトを新しく作製して、グリップ部分はまだしっかりしていますので再利用をいたします。グリップ部分も本革が使われており所有者様の手に馴染んでいるのでここは革のメンテナンスをして取付いたします。
ここから新しく持ち手のベルトを作製していきます。
まずは芯材に使用するテープから、既存のベルトに合わせて長さをカットします。元の持ち手に使用されていた芯材は樹脂板のようなものが入っていたのですが、これですと経年変化で樹脂板が硬化した際に今回のように割れてしまいますので、新しく作製するベルトの芯材には比較的寿命が長く引っ張り強度に優れているPPテープを使用いたします。
さらにそのPPテープを2重にして接着して少しでも強度を保てるようにします。
持ち手上部のベルト部分。
カシメの掛かりが浅かったのでしっかりとカシメがベルトに掛かるようにテープを重ねて縫製します。表には質感の近い本革を使用いたしました。
持ち手のメインとなるベルトを作製します。
こちらも本革を巻いて両サイドを縫製してテープと縫い合わせます。同じく下のカシメ部分に補強のテープを縫い合わせています。
出来上がったベルトに先ほど取り外したグリップを縫い付けています。
0番の太い糸を使用して手縫いでしっかりと締め込みながら縫製します。
グリップを縫製しました。
新しいベルトとグリップ部分の色剥げによって統一感がありませんので、
グリップ部分の革に補色をして艶出しのクリームを塗布して色味と艶感を均一にします。
完成した持ち手セットを本体に固定します。念のため穴位置にしっかりとカシメが掛かるがどうか取付前に確認しておきます。
どうしてもメインのベルトから穴位置が少し外れているので念のため補助テープとメインのテープをカシメで固定し補強しておきました。
まず下を固定して
上部を固定します。
カシメを固定する穴は一度カシメを外すとほんの若干は穴が拡がっているので固定する際は補強のため大きめのワッシャーを挟んでカシメ留めをします。
これで完成です。
3,今回のお修理費用と納期
今回の(TUMI)トゥミ/キャディバッグの持ち手作製交換で、費用が24.000円(税抜)、納期が約2週間でした。
※同じような症状でも付近の状態や使用する部品などにより費用や納期は変動いたします。
全体と破損部分の画像をお送り頂けましたらお修理可否の可能性と概算のお見積をお答えできますので お問合せフォームもしくはライン公式アカウントからお気軽にご相談ください。
ボンドリペアではゴルフのキャディバッグをはじめ、スーツケースやキャリーケースなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っております。
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