(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダー外れを修理

こんにちは。大阪でスーツケースやゴルフのキャディバッグなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っておりますボンドリペアと申します。

今回は、(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイスのバックパック修理をご紹介します。
破損状況は、メインファスナーを開閉する際に可動する金具(スライダー)がレールから外れてしまっています。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックの修理

今回ご依頼頂いたお客様は旅行が好きでよく海外にも行かれるとのことで、こちらのバックパックもこれまで色んなところを一緒に旅してきたようです。
丈夫なナイロン生地が使用されており『ノースフェイス』らしい丁寧な作りのバッグです。

1,状態の確認

まずはスライダーが外れた原因を探っていきます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナーが閉まらない

このような症状の場合、
①スライダーの後ろが開いてレールから脱線した
②レールがほつれてそこからスライダーが外れた
上記のいずれかが原因のことがほとんどです。

今回の場合ファスナーコイル(レール側)を確認しても若干の毛羽立ちはありますが、スライダーが抜けるほどの解れは見られませんでしたのでスライダーを確認してみます。
横から見てみるとスライダーの後ろが少し開いているようですので恐らくここが原因となってレールから脱線したものと思われます。

2,今回のお修理方法

今回の原因が上記の通りスライダーにありますのでスライダーを取替えます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーを外す際に縫製を解くところ

メインスライダーの端を見てみると縫い目が見えません。
ということはここ以外に製造工程で最後に縫製をした部分があるということです。

こういった場合はカバンを完全に裏返して内巻きという部分が最後に縫製されていることが多いです。
ただ、それと同じ方法で縫製をし直そうと思うとカバンを大がかりに解体する必要があり、スライダーを交換するために解体組立だけでかなり高額になってしまいます。

どんなお修理でもそうですが修理をする目的は、
・破損している部分が直って通常に使用できるようにすること
・今後長く使用できるようにすること
・愛着のあるモノとこれからも行動をともにできるようにすること
かなと思います。

その目的に沿った上で必要以上の予算をかけずにお修理する方法を考えることも私共の仕事です。
こちらで考えうる方法をご提案させて頂きお客様とご相談の上で修理の内容を決めさせて頂きます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーを外すために縫製を解く

今回はスライダーを交換するのに最低限縫製をほどく必要のあるファスナーエンド部分の縫製のみをほどいてスライダーの交換をしていきます。

スライダーの交換をする際にコイルの目を2.3目カットしてスライダーを交換する方法もありますが、こちらのバックパックはファスナーが止水ファスナーという防水ファスナーになっているためその修理方法は省きました。
完全防水のバッグではないにしても止水ファスナーの機能を低下させることで、先にご紹介した修理する目的の『今後長く使用できるようにする』ところから反れてしまうと判断しました。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーを取り外す

ファスナーエンドの縫製をほどきファスナーの端が抜き出します。
そこから残っているスライダーを2つとも取り外します。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーが開いてレールから外れる

取り外したスライダーを見てみると左側のスライダーの後ろが少し開いています。
この開きを調整して再取付することも可能ですが、外れた時に傷が入っていてレール側を削ってしまいそうなのでスライダーは交換します。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダー取付け

一般的なコイルファスナーと見比べると分かりますがファスナーの噛み合う歯の部分が見えません。
止水ファスナーは通常でこのタイプが多いのですが、止水ファスナーではないタイプでのこのようなファスナーがあります。
『裏使いファスナー』とか『裏巻きファスナー』とか言われたりします。

スライダーのそれ用のものがありスライダーを横から見た時の切れ込みが上下で異なります。
裏使いファスナー用のスライダーは上の写真のように上側に切れ込みがあり、通常のスライダーは下側に切れ込みがあります。
このスライダーがあまり売られていなくて特殊なサイズになると探すのに苦労します。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーを通すところ

新しいスライダーを差し込んでレールに通します。
バックパックの両開きファスナーはスライダーが頭合わせになるので向きに注意して取付けます。
キャディバッグのフードカバーのファスナーは頭合わせなのでたまに混乱しそうになります。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーを取付ける

無事通りました。
このあともうひとつのスライダーを頭から通して動作の確認をしておきます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナーコイルの縫製が毛羽立っている

最初にコイルの縫製に毛羽立ちがあると記載しましたが上の写真をみるとファスナーの歯をひとつひとつ縫っているところが毛羽立っています。
この縫製が完全に切れてしまうとファスナーテープからコイルだけが外れてしまい、そこからスライダーが外れてしまいます。
またコイル外れの長さが長くなるとコイルの修正では修理ができなくなりファスナーを全体交換しないといけなくなります。
そうなるとこのバックパックのサイズでも1万円以上のお修理費用になってしまいます。
ファスナーも摩擦がある部分なので永久的に使用できるパーツではないのでいずれは寿命が来てしまいますがその摩擦を軽減すれば寿命を延ばすことができます。

今回せっかくスライダーを交換したのでこれから少しでも長く使って頂けるようにこの毛羽立ちも補修をしておきます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダーの動きを滑らかにするため蝋引きする

すごくおっきいですが手に持っているのは蝋の塊です。
手縫いで縫製する際などに糸になじませて強度を増したりするのに使用しています。

これをファスナーコイル全体に塗り付けていきます。
蝋が削れて白い粉が付着していきますがそのまま全体に塗ります。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナーに蝋引きをして火であぶってなじませる

全体に蝋を塗った後に火で炙りながら蝋を溶かしてコイルの中の方に浸透させていきます。
この時同じところに火を当て続け内容に注意します。コイルが溶けてしまったらファスナー交換ですからね、、

その後乾いた布などで軽く全体をなじませてスライダーを動かして動作を確認しておきます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナー不具合の修理

先ほど解いたファスナーエンドのところを縫製していきます。
できるだけ裏地の端を縫製して違和感のないように仕上げます。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナー修理

しっかりとファスナーが閉まるようになりました。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダー交換

スライダーの引手は破損もなかったので元の物をそのまま使用しています。

(THE NORTH FACE)ザ・ノース・フェイス/バックパックのファスナースライダー外れを修理

3,今回のお修理費用と納期

今回のスライダー2個取替で、費用が4.000円(税抜)、納期が約1週間でした。
※同じような症状でも付近の状態や使用するパーツなどにより費用や納期は変動いたします。

全体と破損部分の画像をお送り頂けましたらお修理可否の可能性と概算のお見積をお答えできますので お問合せフォームもしくはライン公式アカウントからお気軽にご相談ください。い。

ボンドリペアではゴルフのキャディバッグをはじめ、スーツケースやキャリーケースなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っております。

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