(TUMI)トゥミ/ビジネスキャリーバッグの割れてしまった車輪を代替の車輪に交換修理
こんにちは。大阪でスーツケースやゴルフのキャディバッグなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っておりますボンドリペアと申します。
今回は、(TUMI)トゥミのビジネスキャリーバッグ修理をご紹介します。
破損状況は、キャスターホイールのタイヤ部分(ゴムの部分)が摩耗して割れてしまっています。
同じTUMIのビジネスキャリーバッグで伸縮ハンドルが動かなくなった修理事例は、
(TUMI)トゥミ / キャリーバッグの引き出せなくなったスライドハンドル内部を加工して修理
目次
1,状態と構造の確認
まずは状態を確認していきます。
キャリーバッグの中でも最も多い破損個所のキャスターホイール。
自動車やバイクなどのタイヤのある乗り物と同様にスーツケースやキャリーバッグのキャスターも使用とともに摩耗していく消耗品です。
2輪タイプの場合は基本的には2輪が同じ頻度で回転しているはずなのでほぼ同じタイミングで寿命を迎えます。
今回も左右同じような摩耗具合でどちらも外側の樹脂部分が割れてしまっていました。
回転を確認したところ軸のブレやガタツキはさほど見られなかったので中のベアリングは生きているものと思われます。
2,今回のお修理方法
状態を確認する限り車輪の摩耗のみなので車輪のみの交換をします。
ちなみにTUMIの純正パーツでお修理をする場合は基本的にはキャスターベースごと交換が必要となり、費用と納期がかなりかかります。
モデルのよってはパーツが廃番になっている可能性もございますので一度お問合せください。
今回は汎用の車輪に交換をします。
これも別の記事でご紹介しましたがブランドバッグの場合、メーカー外で修理した形跡があるとその部分の修理をメーカーが受け付けてくれない場合がありますのでその点は事前にご説明させて頂きます。
今回はキャスターやバッグ側の加工はしないので取り外した車輪もお客様にお返しして保管しておいて頂くようにご案内しました。
純正パーツが残っていれば万が一メーカーで断られた場合も純正パーツに戻せば問題ないのでご自身で修理された場合も念のため破損した純正パーツは保管しておくことをお勧めします。
それでは順番に今回の修理工程をご説明いたします。
まずはキャスターベースを本体から取り外します。
スーツケースやキャリーケースなど外部パーツがあるバッグは内装にファスナーがついていてメーカーでもパーツの交換がしやすいような構造になっているものが多いです。
ハイブランドになるほどそんなことはお構いなしにデザインを優先しているものもありかなり頭を悩ませられることが多々あります。
トランクで有名な『グローブトロッター』もそのひとつで、キャスターの車輪を交換するためにうすーい内装生地を慎重に剥がして芯材の板を剥がしてようやくキャスターベースが取り外せるようになっているのですが、メーカーでも修理するのに苦労しているだろうなと思う構造をしています。
内装をめくるとこのように各パーツの裏側が見えます。
キャスターはビスで数箇所固定されているのでそれらをすべて抜き取ります。
カシメも数箇所見えていますがこれは裏カバーを本体に固定しているだけなので外す必要はありません。
外したキャスターベースはこんな感じです。
車輪を固定しているシャフト部分を見るまでいつもドキドキします。
今回は見るからにネジであろうシャフトにホッと一安心です。
これがカシメで留められていたら外すのも新しく固定するのもなかなか苦労します。なんせ車輪を固定しているシャフトなので直径約6~8mmの鉄製シャフトが使われているので削るのも打ち込むのも大変なのです。
ネジ式シャフトに安心して油断していると、キャスターの片側でネジが回らず焦ることになります。
そう、どれだけ反時計周りに回してもネジが回る気配がありません。
冷静になって考えます。。キャリーバッグは通常引っ張って使用するものです。ということは車輪の回転する方向は一方向になります。
すると車輪の軸を左右とも同じ時計周りに固定していると片方が車輪の回転と共に緩んでしまうのです。
ということで片方は逆ネジが使用されているので時計周りに回してネジを緩めます。
そうして無事に外れた車輪です。右にあるのは今回使用する汎用のホイールです。
既存の車輪が約67mmで汎用車輪が約64mmです。70mmの車輪を入れてみたところホイールハウス内に干渉してしまったので一サイズ落としました。
ここでまたひとつ問題が、汎用ホイールのベアリング内径が約6mm。
既存の車輪のベアリング内径が約8mm。このままではシャフトが入りません。
でも大丈夫です。ベアリングは規格のサイズがあり、どちらも外形と幅が共通でしたのでベアリングのみを取替えます。
このためにお見積もり段階で車輪のガタツキや軸ブレを確認しておく必要があります。
明らかにベアリングが破損している場合はガタツキや軸のブレが見られますのでその可能性も含めてお見積もりに反映しておくか事前にお伝えしておく必要が出てきます。
ただ、ベアリングも使用していると中のグリースが無くなって金属同士が摩擦を起こしている可能性もございます。
動きを確認して注油をしておきます。
今回は動作や音を確認しても問題はなさそうなのでこのまま再利用します。
シャフトも隙間から入ったゴミや汚れが付着しています。ベアリングなので大きな影響はありませんがせっかくここまで解体したので綺麗にした方が気持ちもいいです。
ゴミを除去して汚れを拭き取ってシリコンスプレーで潤滑を良くしておきます。
こうなると車輪が収まっているキャスターのホイールハウスのゴミや汚れも気になりますのでエアで飛ばして拭いておきます。
ベアリングを新しい車輪に付け替えて準備が整いました。これを組み付けていきます。
ネジの向きに気をつけて固定します。ぴったり収まりました。
もう1点確認しておきたいのは車輪の遊びが適当か、ということ。
純正パーツを使用するわけではないので幅がピッタリということはあまりありません。
ここがきつすぎると回転が重くなりキャスターベース側に負担をかけてしまいますし緩すぎると左右のガタガタしてこれもまたキャスターベースに不要な負担をかけてしまいます。
ガタツキがなく、きつすぎない丁度良い具合に調整をします。
今回は外側の車輪がホイールキャップに少し干渉していたのでワッシャーを入れて回転させても干渉しないように調整をしました。
あとは完成したキャスターパーツを本体に組み付けていきます。
今回はネジの種類は少なかったので特に問題はありませんが解体するパーツが多くなってネジの種類が増える場合は、各部分を解体前に写真を撮っておくか抜いたところにネジを差しておくと組み付けるときに困りません。
組立が終わったら最終確認をして完成です。
3,今回のお修理費用と納期
今回のTUMIビジネスキャリーバッグの車輪2個交換で、費用が9.500円(税抜)、納期が約1週間でした。
※同じような症状でも状態や使用するパーツなどにより費用や納期は変動いたします。
全体と破損部分の画像をお送り頂けましたらお修理可否の可能性と概算のお見積をお答えできますので お問合せフォームもしくはライン公式アカウントからお気軽にご相談ください。
ボンドリペアではゴルフのキャディバッグをはじめ、スーツケースやキャリーケースなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っております。
投稿者プロフィール
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