(RIMOWA)リモワ/サルサの内装生地をバリスティックナイロンに張り替え
こんにちは。大阪でスーツケースやゴルフのキャディバッグなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っておりますボンドリペアと申します。
今回は、(RIMOWA)リモワの2輪サルサの修理をご紹介します。
お預かりした時の状態は、内装生地の裏についているウレタンフォーム(スポンジ)が加水分解によって劣化し、粉状になっていました。
同じ状態の(RIMOWA)リモワ/トパーズを修理した事例は、
(RIMOWA)リモワ/トパーズの粉状に劣化した内装ウレタンと生地を張替え
目次
1,内装生地の状態を確認
まずは内装生地の状態を確認します。
一番気になる粉の出どころを探っていきます。
前回ご紹介しているリモワのアルミスーツケース、トパーズの内装は生地全体の裏側にウレタンフォームが貼ってありました。
今回はそこまで粉の量も多くなく、本体側の内装についているファスナーを開けて確認してみてもメインの生地にはウレタンは貼っていません。
今回お預かりしたリモワのサルサは、内装のファスナー継ぎ目を隠すエプロン部分の裏にウレタンフォームが貼ってあり、写真のようにボロボロになっていました。
2,今回のお修理方法
今回は生地の劣化もありますので内装を全面張り替えいたします。
使用する生地は『バリスティックナイロン』という高密度のナイロン生地に張り替えます。
バリスティックナイロンは防弾チョッキやエアバッグなど強度の必要なものによく使用されていて耐久性に優れた素材です。
ファスナータイプのスーツケースはほとんどが内装生地とシェル(スーツケース本体)を合わせてファスナーの縫製で縫いこんでいます。
こちらのサルサも同様の作りになっているのでまずは、ファスナーを取り外す必要があります。
そしてファスナーを取り外すには本体と蓋を分ける必要がありますのでまずはそこから始めます。
上の写真の革部分が本体と蓋を繋いでいるのでそれを押さえている底脚2個とカシメ3本を抜きます。
繋ぎ革をめくるとこのようにファスナーの両端が見えます。
中央についているのはスライダーが抜けないようにウレタンを張り付けてストッパーの役割を果たしています。
このウレタンがなかなか取り難く熱を加えながら接着剤を溶かしつつ剥がしていくのですがウレタンも熱に弱いので綺麗に取り除くのに時間がかかります。
ただ、これを取っておかないとスライダーを入れる時に苦労します。
ストッパーのウレタンを取り除いて、スライダーを抜くと本体と蓋を分けることができます。
スライダーを抜く際に本体と蓋のファスナーが元の位置に取り付け出来るように両端のファスナーの目を数えておくかマークをしておきます。
ファスナーがズレると本体と蓋のファスナーを閉めた時に全体が歪んでガタツキの原因になります。
ファスナーの縫製を解いていきます。
リモワのファスナーは特殊な縫製がされていて、上糸と下糸ではなく1本の糸で編み込むようにして縫われています。
ですので解くときは簡単。ただ、一部だけ解きたい時に誤って引っ張ってしまうとポロポロポロとどんどん解けていってしまいます。
縫製を解いて生地をめくった状態。
剥がした内装は綺麗に伸ばして新しい生地に型を写します。
ファスナーも破損はないのでこのまま純正のものを再利用いたします。
多少生地が伸びているところもあるのでその辺りも考慮して新しい生地に型を写して裁断します。
裁断した各内装パーツのファスナーに入れ込んで縫製しない箇所はヘリが見えますので、解れ防止と美観の為にヘリを折り返して縫製します。
ファスナーも同じように縫い付けて内装の下準備は完了です。
出来上がった内装を張り付けていきます。
本体側はパーツを交換する為のファスナーもありますので全面は接着せずに側面だけ接着して固定します。
内装を接着したらファスナーを縫製していくのですが、先ほども記載したように元の位置からずれてしまうとガタツキの原因になりますので始点と途中何箇所か縫製の位置がずれないように仮留めをしてから縫製します。
今回は既存のファスナーを使用するのでファスナーとシェルの元穴を辿って縫製するため手縫いで一穴ずつ縫製していきます。
本体側が縫えたら蓋側も同様に内装を接着してからファスナーを縫製します。
今回、本体側のポケットはリモワ純正のロゴ入りのものをそのまま再利用しています。
蓋側の縫製が完了したところ。
こちら側にエプロンを一緒に縫いこみます。
ファスナーの縫製が完了したら本体と蓋を合体させます。
ファスナースライダーを入れて左右のズレがないか確認して問題なければファスナーの端をホットボンドで留めます。
繋ぎ革をカシメとグライドで固定して、あともう少しです。
内装のエプロンをホットボンドで接着して完成です。
頑丈なバリスティックナイロン内装のリモワになりました。
3,今回のお修理費用と納期
今回のサルサ内装生地張り替えで、費用が40.000円(税抜)、納期が約1ヶ月でした。
※同じような症状でも付近の状態や使用する生地などにより費用や納期は変動いたします。
バッグ全体と破損部分の画像をお送り頂けましたらお修理可否の可能性と概算のお見積をお答えできますので お問合せフォームもしくはライン公式アカウントからお気軽にご相談ください。
ボンドリペアではゴルフのキャディバッグをはじめ、スーツケースやキャリーケースなどのバッグ全般や家具、その他様々なモノの修理を承っております。
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